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意気消沈のまま札幌駅に到着し、あてもなく歩いていた。
忙しく足早に行き交う人たちは、どこへ行くのかな?
なんの目標もなく漂っているのは、世界中で自分だけみたいな気持ちになり、一層気が滅入る。
このまま自宅マンションへ帰るか、アルバイトを探すか迷いながら大通り公園を歩いていると、広場の方から誰かの話す声が聞こえてきた。
選挙のための演説のようだけれど、聴いている人は十人ほどでまばらだった。
政治に興味はないので、そのまま通り過ぎるつもりだったけれど、その演説の言葉のひとつひとつが心に響いて足が止まった。
政治に関心のない私でも、なんとなく不穏な今の世の中には危機感を持っていた。
力強く演説しているその男性は、私のそんな漠然とした不安を的確にとらえていた。
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