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こいつに落ち着いた家庭などを求める俺が間違っている気もするけれど。
「やりたいことも出来ずに我慢させられてたら、落ち着いた家庭なんて築けるはずないでしょう。忙しいときは家事代行とかサービスを利用すればいいのよ」
茉理は少しも理解されないことに苛立ちを見せた。
あまり反対するのも逆効果かも知れない。とにかく目標が出来て予備校へ行く気になっただけでもいいことにしよう。
政治家なんて女にとって楽しい仕事とは思えない。そのうち気も変わるだろう。
「とにかく来年は大学受験をするんだな。とりあえずそれに向けて頑張れ。腹へった。今日はなんだ?」
「あ、ごめんね。今日は晩ご飯の準備をする余裕がなかったんだ。お惣菜屋さんでお弁当買って来たから一緒に食べよう」
そんなことを言ってテーブルの上に置いてあった袋から弁当を取り出した。
「俺に添加物の入った弁当なんて食わせるなよ。身体が資本なんだぞ。病気になったらどうするんだよ」
「今日はポスティングで忙しかったんだから仕方がないでしょう。たまにはお弁当食べたって大丈夫よ」
今更グチグチ言っても仕方がない。
テーブルに二つ並べられた幕の内弁当を一緒に食べた。
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