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「入籍する日は本当にエイプリルフールでいいのか?」
エイプリルフールは来週の金曜日だ。
「エイプリルフールって言わないで。茉理の誕生日って言ってよ」
いつも食べてるコンビニ弁当と違って、今日の幕の内は煮物も玉子焼もだしが効いていて、自然な味が楽しめた。
「おまえも変わってるな。大学に進んだら楽しいことが待ってるってのに、本当に結婚なんてしていいのか?」
「だって今しておかないと潤一くんは違う人と結婚しちゃうでしょ。茉理が大学を卒業できるのはまだ先だもん」
若気の至りなのだとは思うが、茉理にそこまで熱愛されていることに幸せを感じる。
「記念写真くらいは撮ろう。式とか新婚旅行は無理だけど少し遠出もしないか?」
「えー、病院は大丈夫なの? 急患とかあるんでしょう?」
「たまにはいいだろう。誰かに頼むよ」
「マジで、わーい!!」
茉理は飛び上がらんばかりに満面の笑顔で手をたたいた。
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