春のおとずれ

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大人びてるとはいえ、まだまだ子どもだな、茉理は。 メチャクチャ可愛い。 もう政治家でもなんでもいいと思えた。 こいつの好きにさせてやろう。 俺はあまりに保守的になり過ぎていたような気もする。 茉理との生活は波瀾万丈になりかねないが、それはそれで楽しいかも知れないじゃないか。 サポートされることばかり期待していたけれど、俺が茉理の人生を手助けしたっていいわけだ。 俺にしては珍しく、そんな寛大な気持ちになりかけていた。 「あ、そうだ。茉理ね、潤一くんに頼みたいことがあったんだ。でも、きっとダメって言うだろうな」 弁当を食べ終えた茉理は、遠慮がちに俺を上目遣いに見つめた。 「なんだよ、俺に出来ることならしてやるよ。言ってみろ」 頼りになる男を演じて、気前よく胸をはった。
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