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茉理が結婚前にお袋に挨拶をしておきたいという。どうせ許しはもらえないのだから無視するしかないと思っていたけれど。
許しは貰えなくても挨拶だけはしておいた方がいい気もして、弁当を食べ終えてから二人で白石の実家へ向かった。
「う〜〜っ、緊張する!!」
クルマを降りて実家の玄関に立った茉理が、引きつったような顔をして言った。
「ダメ元なんだから気にするな。長居はしないよ。報告だけしてすぐに帰ろう」
玄関のブザーは押さずに鍵をまわし、家に入った。
「ただいま」
ソファに座ってテレビを見ていたお袋が振り向いた。
「あら、急にどうしたの? 」
「挨拶がしたいって言うから茉理を連れて来た」
俺の後ろから茉理がオズオズと顔を出した。
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