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「こ、、こんばんは。おばさん、お久しぶりです!」
この世に怖いものなどなさそうな茉理が、猫背になりながらオドオドと挨拶をした。緊張している茉理なんて中々見られるものではないな。
お袋は不機嫌な顔で茉理を見据えていたが、ソファから立ち上がると、「あなたたち、晩ご飯は食べたの?」と聞いた。
「もう済ませてきたよ」
開口一番、帰れ! と言われなかったことに安堵する。
俺のすることには諦めているのだろう。親の言うことに素直に従ったことがないからな。
「茉理、そんなところに突っ立ってないで座りなさい。あなたもコーヒーでいいの?」
キッチンに立ったお袋は、口調がキツかったけれど、怒ってはないように見えた。
「はい! あ、おばさん、コーヒーは私が淹れましょうか?」
茉理は気を利かせたつもりか、そう言ってキッチンへ向かった。
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