六華 snow crystal 8

春のおとずれ

両家の顔合わせも兼ねて、写真撮影の日はお袋と茉理の母親にも来てもらった。

茉理のウエディング姿は息をのむほど美しかった。

こいつはスエット姿でもサマになる美人だから、ウエディング姿が美しいのは当然だ。

だけど自信過剰の俺でも、こんなに若くて綺麗なオンナと結婚できるとは思ってもみなかった。

「本当に綺麗だわ、茉理、結婚おめでとう！」

茉理の母親も感激したのか娘の晴れ姿に涙を浮かべた。

「ママ、ありがとう。茉理、生まれてきて本当によかった」

茉理もそんな大袈裟なことを言って少し涙ぐんだ。

確かに茉理を生んでくれた母親には俺も感謝の気持ちでいっぱいだった。

二人だけの写真撮影の他に、せっかくだからと、お袋と茉理の母親も一緒の写真も撮ってもらった。

四人が集まる機会は中々ないから、いい思い出の写真になるだろう。

だけど、どうせなら結婚式くらいは挙げたほうが良かったな。あまりに急なことだったから仕方がない。