子どもらしさってなにそれ?必要なこと?

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※※※ 「兄上、これはどういうことですか?」 視察に行った兄が珍しく視察中の経過報告を寄越したものだから注意深く聞いていたら、まさかの事態が起きていた。 曰く、民の暮らしを脅かすような脅威はとても見当たらないらしいとのこと。 曰く、代わりに至上の華を見つけたので大事に持ち帰るつもりだのこと。 居ても立っても居られなかった。 「フッ。お前なら待ちきれずに飛んで来ると思っていたよレイヴン」 出来の悪くない兄だが何かと鼻にかける嫌いがあった。 立場上かわいいものだなと流してきたが、今回ばかりは黙っているのも難しそうだ。 「むー。どうしてもって言うから仕方なく来てあげたのに。きょーだいゲンカはよそでやって」 「申し訳ない姫。彼はまだ幼いが優秀で自慢の弟なのだ。紹介だけはさせてほしい」 「なまえは聞いたからもういーよ」 自身の腰辺りほどまでしかない幼子にあしらわれている兄の姿は滑稽に映る。 しかしそれを笑っている余裕は俺にもなかった。 「お忙しい中ご足労いただきありがとうございます。お聞きになったように私の名はレイヴン。兄カーライル共々懇意にさせていただきたく申し上げます」 「……わたしのじゃまだけはしないでよ」 「承知致しました」 平身低頭。何とか返してもらえた言葉にちらりと見上げた少女の表情は、間違いなく待ち望んでいたそのものだった。 「フッ。レイヴンも分かるか、姫の隠しきれない魅力が」 「兄上ッ。姫などと気安く」 「いーの。言ってもなおんないし、わたしがいいって言ってるの」 突き刺さる視線。 これはそう、初めて、初めて御身と相対することが叶った時のこと。 ああ、あの時も今も、私はなんて愚かなものなのだろう。 「過ぎた真似を、失礼しました」 「……んー、そうだねぇ。そーいうきゅーくつなたいどとるの、大キライだから。まさかわざとやってるって言うなら、ね?」 「ッ──」 やっとの思いで再会できたというのに。 ご主人様、ご主人様。うんとこのリクを叱ってください。 必ず直します、二度と同じ過ちは繰り返しません。 ですから、ご縁だけは。ご主人様との繋がりだけはどうか、切らないでくださいますようお願いします。
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