格好良さも強さも事足りてるから癒やしを頂戴

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「ほ、本当にだいじょうぶ?」 「全くサフィーは心配性なんだから。この私がついているのよ?」 平らな胸をぽんと叩く。この身体じゃ説得力がないと思うでしょ?私とサフィーの仲なんだもの。 「メリーちゃんが大丈夫って言うときはだいたい大丈夫だもんね」 「だいたい、は余計」 「ふふっ。そうだね、いつもメリーちゃんの言う通り」 言うようになったじゃんか。 まあ、いつまでもグズグズ私の後ばっかりついてくるようだとさすがに困るものね。 仕方ない。今日は機嫌が良いから頭を撫でるのも許してあげよう。 「よしっ。やる気がすっごく出てきた」 「それならいいけど。あんまり張り切りすぎないでね」 「わかったよー」 「もう、本当に分かってるのかな」 基本的に頑張り屋さんで素直な良い子。お調子者な時もあるのは子供ゆえですかね。 不測の事態に備えた安全策はしっかりとっておく。備えあれば憂いなしってね。 過保護?いやいや、幼い女の子がやることだもの普通でしょ。 それに、私自身は痛みとか血が出るとかくらい平気だけど、サフィーがそういう目に遭うの見たくないじゃん。 そんなこんなで今は護身術を教えようとしているの。 王女という肩書がある以上多少は自分の身は自分で守る術を持っていてもらわないとね。 もちろん、私が側にいる限りは指一本たりとも触れさせはしないけども。 「ねぇねぇ、これでわたしにもまほーが使えるようになるのかな?」 「なるよ。そのための練習をしているわけだけど」 「あ、えっとね。まほーは12才になってからって言われてたから、すごくうれしくって」 「んー、魔法に年齢制限なんてないんだけどね」 ただし正しい使い方を出来る者に限る。 まあ、それもそうかな。小さな子供が簡単に大人に対抗する力を持てちゃう。危険視するのも当然のこと。 とはいえ、大人よりも子供のほうが吸収力が高く、身体の成長に合わせて学んでいくのも大事だと思うなぁ。 「えっと。メリーちゃんとわたしだけの、ひみつ?」 「そゆこと。だからダメだよサフィー、ちゃんとお口チャック忘れないでね」 「んっ。りょーかいしました」 シエラさん達ももちろん、黙っていてくれますね? シールド魔法をもう一度重ねて張り直す。 人も動物も風も。私とサフィーの特別レッスン、邪魔をしないでね?
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