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つぎの年の春、王子と娘の結婚式が大聖堂で執り行われました。領民のほとんどがふたりの結婚を祝い、喜びました。人々は町や村のそこかしこで踊り、歌い、祝杯を上げたのです。
魔女は森の隠れ家でいまいましげに、舌がしびれるような酒を次々とあおりました。
母親はその日、あこぎな人買いの手から逃れようと、凍てつく泥の上をはいまわっていました。娘の結婚を知ったのは、しばらく経ってからのことでした。
王子妃となった娘は、王宮で幸せに暮らしました。
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