地獄みたいなところ

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ぎごちない動きで萩原が四つん這いになったまま頭を動かすと、前にいた男は不満げに鼻を鳴らして萩原の頭を乱暴に揺すりだした。萩原が嘔吐感を覚えて男の逸物を吐き出そうとしても容赦がない。次第に固くなっていくそれに喉の奥がぎゅうぎゅう、と押されて胃液があがってくる。しまいにたまらなくなって萩原は頭を乱暴に振って男のそれを吐き出すと、そのまま胃液をぶちまけた。おい、と怒鳴り声が聞こえて萩原は腹に足がめり込むのを見ながら転がった。 「ふざけるんじゃねえぞ、こちとら金を払ってるんだぜ。しっかりと働いてもらわなきゃあ」 「た、頼むよ。金なら返す。返すから」 「金だけの問題じゃねえよ、なあ姐さん。こういうだらしのねえ淫売はきちりと躾なけれあ、後で始末がわるくなるものだと昔から相場が決まっているんだ」 ええ、そうだねえ。と話を振られた女、真珠が笑った。 「一円だろうと、千円だろうと、金を貰ったら商売だからねえ。そこんところこの甘ちゃんはちっとも解らないのさあ。どうか兄さん達、思う存分可愛がってやって頂戴な」 「うわああああ!もう、嫌だ!」 突然萩原が手足をジタバタして喚きだした。青白い顔をして涙を浮かべながら叫んだ。 「助けてくれ!俺がなにをしたっていうんだよ!俺は、俺はな、こんなことされる覚えなんかちっともねえし、大体藤堂さんに逆らったりもしてねえ、…そうだろう?ちゃんとやってたじゃねえかよううううう!ああ、お願いします、お願いします、姐さん、助けて、助けて、もう嫌だ、男なんかに抱かれたくなんかねえんだよ、嫌だよ、嫌だよ、お願いします…」 「太え野郎だ、自分の権利ばっかりで」 先ほど萩原の口を犯していた男はなりふり構わぬ様子で懇願する萩原に呆れた様子で、しかしギラギラと好色な色を瞳に写したままで全裸のまま土下座する萩原を見下ろす。もう一人の男もズボンのジッパーを下ろして、本当にな、と嘲笑った。 「いいか、売春婦。お前はこれからずうっと男のナニで商売をしていくんだ。解ったな」 「いやだ、いやだ。もういやだ」 「そうか。じゃあ体で解らせてやる」 「たすけて、たすけてえ、神様、お願いします、お願いします」 「うるせえな、しまいにはもっとひどくしてしまうぞ」 そう言って男達は萩原を羽交い締めにして、前の口も後ろの口も犯した。痛みのあまり、凄まじい声が響き渡る。 真珠は涼しい顔で馬鹿ねえ、と呟いた。 「誰にお願いしてるの、あんた。ここには神様なんかいないっていうのに…」 【慈悲の反対は憎悪】
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