一〇一

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「うるせー、うるせー。みんな大人なんだから犬なんて好きに飼えばいいだろ!何がルールだ」 俺はそう言うと、不意に昨年の出来事を思い出した。 「八王子、ルールはルールだ。お前一人の行動でみんなが迷惑するんだ。いいか?これからはきちんと事前に連絡すること」 眉間に皺を寄せた部長の顔がフラッシュバックする。 うるせー。 何が・・・。 ルールだ。 ルールなんて守らなくてもいいだろ。 みんな大人なんだから・・・。 俺は老人が不思議な顔で俺を見ていることに気づいた。 「分かったよ。柄本さんの家を見せてくれよ」 俺は柄本さんの家を見たら、すぐに駅に向かうつもりだった。 柄本さんは納得したのか、俺に背を向けると一〇一号室に向かった。 なんでこんなことになったのだろうかと、抗えない運命を呪いながら、俺は柄本さんの後について行った。
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