16人が本棚に入れています
本棚に追加
「うるせー、うるせー。みんな大人なんだから犬なんて好きに飼えばいいだろ!何がルールだ」
俺はそう言うと、不意に昨年の出来事を思い出した。
「八王子、ルールはルールだ。お前一人の行動でみんなが迷惑するんだ。いいか?これからはきちんと事前に連絡すること」
眉間に皺を寄せた部長の顔がフラッシュバックする。
うるせー。
何が・・・。
ルールだ。
ルールなんて守らなくてもいいだろ。
みんな大人なんだから・・・。
俺は老人が不思議な顔で俺を見ていることに気づいた。
「分かったよ。柄本さんの家を見せてくれよ」
俺は柄本さんの家を見たら、すぐに駅に向かうつもりだった。
柄本さんは納得したのか、俺に背を向けると一〇一号室に向かった。
なんでこんなことになったのだろうかと、抗えない運命を呪いながら、俺は柄本さんの後について行った。
最初のコメントを投稿しよう!