食べる・食べない

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 ジンが洗面所から戻るなり、高校時代の友人サトシから着信があった。 「おぅ、久しぶり」 「もう寝てた?」 「いや。帰ったばっかだよ」 「そっか。俺も仕事場の飲み会が終わって帰り道。忘れないうちと思って掛けたんだけどよ。  昨日ナオとラインしててさ、またみんなで集まんねぇかって話になって、今あちこち連絡してるとこなんだよ。ジンも来ねぇ?」 「いつ?」 「明後日の日曜とか」 「夜?」 「うん、まぁ時間は揃い次第だけど」 「いいよ」 「でさ、その日ミチオの誕生日だから、ちょっとしたプレゼント持ってサプライズしようって思ってる。ジンも小麦粉でも何でもいいから持ってきてよ」 「あいつの? 俺あいつ好きじゃねぇんだけど」 「まぁ、久しぶりだからさ。他のヤツらに会うだけでも楽しいじゃん。ジンはムードメーカーだし、来ないとダメだよ」 「ふっ」  ジンはテーブルの牛丼を片手で広げながら笑った。 「またよ、メンバーとか決まったらライン入れとくわ。じゃな」  牛丼が冷めきらないうちに通話が終わってよかったと、ほっと胸を撫で下ろした。  そして次の日になる前にジンは床につく。
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