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または生活のための必需品としてあったのかもしれない。
かつて東京の下町に住んでいたが、染め物工場では
布をああいった高い物干し台でひらひらと干していたものだ。
一反の布は12メートル以上ある。空にはためく藍色の浴衣地は
町工場の屋根の上を自由に泳ぐ吹き流しみたいに小気味いい。
物干し台。この説は的を射ているのでは?
あるいは、それこそ布に仕立てるための草木類を干したり
魚類をおかずにするために、列を作って干したり
柿を干すために、薬草を干したり…… なんだか所帯じみた空想である。
それともやはり見張り台なのだろうか。
遠くは蝦夷や大陸、内地ではどこら辺まで見ることが可能なのか。
いつか、誰かが攻めてくるかもしれないし。
あるいは攻めていこうとしているのかもしれないし。
それにあの台に天体望遠鏡があったとしたら、すごいなあと思う。
望遠鏡は無理だとしても、星や月の位置を知ることは
きっとされていたと思う。
どのように利用されたかはいまだにわからないのが歯がゆいところだ。
『屋根がない』あるいは『床がない』と称される
六本足の建造物はこれから、世界の人々にどんな夢をもたらすのだろう。
そして大きな代表的な建造物はもう一つある。
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