アオイちゃんとソラくん

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ずいぶん長いこと歩いていた気がする。 「セキュリティ対策の一環ですので、申し訳ありません」 「いやいや。こんな何もない俺達に会っていただけるだけでも身に余る光栄ですから」 セキュリティ対策って私たちに言っちゃっていいのかなとか。 身に余る光栄ってとっさに出てくるなんてソラくんはすごいな、難しいお話は全部任せてしまおうとか。 ぼんやりとソラくんと繋いだ手に引かれるまま歩いている私でした。 「おーい、着いたみたいだぞアオイ」 「あっ。うん、ありがと」 今まで以上にソラくんに甘えっぱなしだなーって思う。 思うだけで変わろうという気が起きないけども。 だって出来ないことを無理に頑張るより、ソラくんを頼って大好きだよって笑顔で伝えるほうが良いと思わない? 「どうした? 緊張しているのか?」 「ううん。ソラくんがソラくんで良かったなぁって」 「はっ!? な、何を急に言い出すんだよ」 顔を赤くして可愛いね。 格好良くて堂々としてて、でも俺様で意外と照れ屋さん。私だけが知っている本当のソラくん。 えへへ。 「ほら、ぼーっとしてたら王様にしょっぴかれちゃうよ?」 「お前なぁ。ったく、度胸があるんだかないんだか」 女は度胸、ですよ? なぁんて。私だってソラくんに相応しくいられるように頑張るだけだもん。 「ディメンションゲートよりとても可愛らしいお客様をお二人お連れ参りました」 「ご苦労」 ふぇ。大事な大事な顔合わせにそんな紹介しちゃって大丈夫なのメアリーさん。 ぴしっと直立不動のソラくん。思わずソラくんの上着の裾を摘んじゃったまま固まる私。 「ハッハッハ。確かに可愛いお客さんだな」 王様が豪快に笑っていた。 想像と違って白髭をたくわえてたりなんてしてなくて、若々しくてたくましい顔つき。 最初鋭い目つきで私たちを見定めるように? でも今は愉快というか何だか嬉しそうにも見えた。 「アナタ、いきなり笑ってしまってはあの子達が困っているでしょう?」 「む、そうだな。俺の名はソルディ。よくぞ来てくれた、俺達は両手を上げて二人を歓迎しよう」 「妻のアマレナです。ふふ、分からないことがたくさんあるでしょうけど、遠慮せずに言ってくださいな」 想像よりもずっと若い王様と王妃様が迎えてくれて、こうしてにこにこと笑ってくれている。 「畏まった挨拶はいりませんよ。見ての通りただただ貴方方二人がこの国で楽しく過ごしていただけるようにと思っているだけですから」 「そう、メアリーの言う通りだ」 優しい笑顔を向けたままじっと私たちの言葉を待っていてくれている。 立派な大人の人たちの優しさとか暖かさに何だか涙が出そう。 「本当に、ありがとうございます。俺の名前はソラって言います。それとこっちが」 「あ、アオイですっ」 さすがに自己紹介まで任せっぱなしはしないよっ
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