第1章/猫又男子のお仕事探し

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「こんなにおいしい屋台に連れて行っていただいて、さらにごちそうまでしていただいてありがとうございます。篠崎さんのことも、猫又のことも、今日の事は絶対誰にも言いません。約束します」  篠崎さんがにやりと笑う。  私は汁を飲み干し、奥に引っ込んだ大将に向かって声をかけた。 「ごちそうさまでした! 次は友達を連れてきますね」 「ん~、人間の子は来られないよ」  奥から出てきた大将にひゃっと声を上げそうになる。 「カワウソ!?」  出てきたのは前掛けをつけた大きなカワウソだった。  ふかふかの毛並みのカワウソは、声は先ほどまでの大将の声をしていて、大きさは170cmくらいありそうだ。  カワウソのおじさんはふかふかとした手をぱたぱたと振る。 「嬢ちゃん違うよ、カワウソじゃないよ、おれは河童だよ」 「河童!? 河童って、あの緑で、てんちかの泉にいるようなアレじゃないんですか!?」  私は天神地下街の泉に設置してある河童のオブジェを思い出す。きらきらと輝くプロジェクションマッピングの中で遊ぶ河童は、あの頭にお皿がある、河童といえばすぐ思い浮かぶあの姿をしている。
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