第1章/猫又男子のお仕事探し

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「河童っつっても色々いんだよ」  驚く私に、隣から篠崎さん口を挟んできた。 「緑色のアレは全国区だが、河童って名称は大将みたいなあやかしの事も言うんだよ」 「へー……奥が深いですね……」 「おじさん可愛いでしょ」 「か、かわいいですが……」  物騒チンピラ狐さんに、黒猫もふもふ猫又占い師、そしてシメにはおっきなカワウソ――もとい、河童のおじさん。た、たしかに可愛いけど、ちょっと理解が追い付かないもふもふデーだ。 「川副(かわぞえ)って言うんだ、今後ともよろしく、嬢ちゃん」 「川副さんとおっしゃるんですね……私は井ノ中楓といいます。こちらこそよろしくおねがいします」  にぎにぎ。  川獺の手と握手をしていると、篠崎さんが話題を変えた。 「ところで大将。このあいだ話した狸のあやかしの件はアテがありそうか」
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