第1章/猫又男子のお仕事探し

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 私は篠崎さんと一緒に地下鉄天神駅まで一緒に歩いた。  パルコを通って地下街に入り、そして改札を通る。  そのあいだじゅう、通りすがる人々の視線、特に若い女性の視線が篠崎さんに注がれているのを感じ続けた。  身長おそらく自販機オーバー。大きくて、ハデで、そして怖い顔だけど、すごい美形。  注目を集めるのもわかる。芸能人じゃないのかってくらい、シュッとしてる。  けれど。  私以外誰にも、彼の頭とお尻でふかふかしている耳としっぽは見えていないようだった。 「この可愛いのが見えてないって可哀想……」 「なんか言ったか?」 「あ、いえ」  私は道すがら、篠崎さんに自分の出自について話していた。 「そうか。あんたは巫女の家系でも公務員でもなんでもないと」  彼曰く『全裸でその辺歩いてる』ような霊力の理由が聞きたかったらしい。  そりゃそうだよね。街の治安を脅かすような全裸の人間がいたらそりゃ気になるもの。  いや、私マッパじゃないけど。 「はい。たぶん。戦争とか幕末とかで、いろいろ家の記録は残ってないらしいので、すごくさかのぼったところがどうなのかは、わかりませんけど」
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