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頭がパニックになる。
普通じゃない占い師に、普通じゃないチンピラっぽい狐さん、カワウソの大将。
しかも霊力がどうのとか、突然言われても、困る。
「あ……」
「ブラック御社を辞めにくいってんなら、俺が世話になってる弁護士もいるが――」
「す、すみません!!」
私は思い切り頭を下げる。
「あの、本当にお心遣い嬉しいのですが、あの、やめときます! ……私は、ただの普通の女なので!」
「あ、おい」
そうだ。私は普通に就職したいんだ。
普通に、普通になりたいの――
私は駆け出して地下鉄に飛び乗った。
「駆け込み乗車はおやめください」
大変迷惑そうな車掌さんの声。
私はぺこぺこと頭を下げる。篠崎さんはぽかんとした姿で、ホームに置いていかれていた。
見えなくなってようやく、私はほっと溜息をつく。
「申し訳ないけど……私は普通の就職をしたいから……」
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