第1章/猫又男子のお仕事探し

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「人と繋がれば、霊力は自然と回復するんだ。『此方』に請われているうちは」  街灯にきらきらと輝く金髪に、ぴんと伸びた狐耳。篠崎さんだ。どうしてここがわかったのだろうか。もしかして私のカバンにまだ何かいろいろ仕込んでる?   訝しむ私をよそに、彼は猫さんをまっすぐに見つめた。 「かつてあやかしは人に使役されていた。そして今のあやかしは人の社会で仕事をする。人に……必要とされることが、あやかしが『此方』で生きていくために……必要だから」 「そうだ」  猫さんが口を開く。 「だから俺は……天神で……」 「わかってるよ。だからスカウトしに来たのに、なんで逃げたんだよ昼間は」 「え。篠崎さん、あれスカウトだったんですか?」  私は思わず口を挟む。 「当然だろ。他に何がある」 「どう見てもシマを荒らされたチンピラが絡みに来たようにしか見えませんでしたが」 「そりゃ焦ってたんだよ! あの辺で不法行為やらかされたらたまったもんじゃねえからな」  私に反論した篠崎さんは再び猫さんに目を向ける。  獰猛な瞳を細め、鋭い犬歯を見せて笑いかけた。
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