(東京編)プロローグ

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私の仕事は院内の病棟を回り、シーツ交換や空き室となった病室の清掃、トイレや共用部分の清掃を当番制で担っていた。 十時から十六時までひたすら院内をキレイにする。 「院長のご子息と一緒に居たけど…どういうコト?広瀬さん」 「あ、怪我をしたと言うか…処置をして貰っていただけです・・・」 ペアで仕事をする木村さんに伊集院先生とのツーショットを目撃されていたよう。 若くて長身のイケメンの伊集院先生としがない清掃員の私。 誰だっておかしいと思うよね・・・ 「・・・でも、お似合いだったわよ…広瀬さんと伊集院先生」 「えっ?」 まぁ、お世辞かもしれないけど、顔が紅くなってしまった。 久しぶりに味わうドキドキしたキモチとときめき。 雄平と交際を始めた当時もそんなキモチを味わっていたかもしれない。 でも、今は恐怖しかなかった。 ーーーー雄平の機嫌を伺うビクビクした日々に疲れていた。
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