ひよこ饅頭~奏弥side~

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******* 俺は結局、紡とひよちゃんの泊っていたホテルで朝まで過ごした。 「陽依お前…まだ怒ってるのか?」 「別に…」 俺は紡の運転で『九州東亜医科大福岡中央病院』に向かった。 紡は運転しながら、助手席に座るひよちゃんの顔色を伺っていた。 「ぜってぇ怒ってるだろ?」 「・・・怒ってますよ…私の大事なひよこ饅頭を残酷な食べ方で食べたんですから…」 「残酷って…俺はただひよこの皮と中身を解体して、中身のあんから食べただけだろ?」 「確かに…他人が訊くと…ツムツムの食べ方は残酷だね…」 「じゃどうやって食べろと言うんだ?頭から食えと言うのか?陽依だって、フォークで頭と胴体半分にして、食べてるだろ?」 「私はちゃんと食べる前に謝罪してします…」 ひよこ饅頭の食べ方で二人は口喧嘩していた。 後部座席に座る俺のスマホにカズからLINEが入った。
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