従兄の前世~和寿side~

6/8
前へ
/330ページ
次へ
俺はカンファレンスルームに紡を案内した。 最初に紡の変化に気づいたのは担当医の俺。 事故の影響で前世の記憶を思い出した患者なんて… 紡が初めてだった。 彼は前世も伊集院家に関りを持っていた人間。 現・「星凛堂」濱部辰真会長の秘書・栗原優貴さんの父親・栗原洋貴さん。 彼は四十年前に起きた飛行事故で濱部会長の父親・濱部透真さんと共に亡くなった。 栗原さんの存在に気づいたのは俺だけではなかった。 紡の父親の敦司伯父さんの秘書を務めている柊倭人(ヒイラギヤマト) 柊さんは栗原さんのクローンであり、彼の記憶を持っていた。 既に四十年前に我が国にクローン人間を創造できる技術があったことに驚いた。 でも、クローン人間は倫理的な問題があった。 そのクローン人間の研究も伊集院家の遺伝子研究の一部だったようだ。
/330ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1506人が本棚に入れています
本棚に追加