御曹司の苦悩~和寿side~

3/15
前へ
/330ページ
次へ
マキは池とは違う別方向に双眼鏡のレンズを向けていた。 「何してんだ?あんなところで・・・」 「広瀬さんって…誰だよ!?新しく入った看護師か?」 「いや…産婦人科病棟にたまに掃除してくれる清掃員だ。 おばちゃん連中ばかりだから若くて美人な彼女は目立つんだよな…仕事も丁寧だし、彼女の磨いた廊下はピカピカだぞ」 「そんなコト言っていたら…遥さんに離婚されるぞ…」 「大丈夫だ・・・カズは口硬いだろ?」 「あぁ…口の軽いお前とは違う」 「広瀬さん、猫と一緒だ…仔猫ちゃんがいっぱい」 「猫!!?どこだ??」 俺はマキから双眼鏡を奪い、レンズ越しに広瀬さんと仔猫たちを見る。 「おいおい、カズは美人の広瀬さんには興味を示さないくせに…猫には興味示すのかよ…呆れた」
/330ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1578人が本棚に入れています
本棚に追加