引き際~和寿side~

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「この私に伊集院先生が御子柴壮の事を訊きに来るなんて…予想外ですよ」 「そうだな…」 俺も昨日の夜、莉子に再会するまで、御子柴壮の事は知らなかった。 御子柴壮は女性には優しいと賀集は言っている。 莉子にDVしていた雄平と大違いだ。 御子柴壮と莉子の間には子供まで居る。 マキの話から、子供の名前に俺の名前の字が入っているのを訊き、俺の子供かと思ったが… 俺の勘違いで終わった。 どんな事情があれ、三年半…莉子を捜さなかったのは事実。 俺は身を引くしかない・・・ 「伊集院先生…」 安堂先生は入って来た。 「用は以上だ…ありがとう…賀集」 俺は賀集にお礼を言って、病室を出た。
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