ひとりで悩む

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ひとりで悩む

ある国にとてもハンサムな王さまと、優しく綺麗な王妃さまがいました。 「あ~あつい あつい」 王さまは、かつらを脱ぎ捨てました。本当はツルツル頭だったのです。 それを見ていた王妃さまも 「あ~しんどい」 王妃さまは、重いドレスを脱ぎ捨て、下着一枚になりました。 ふたりは笑いながらキスをしました。 王さまは、王妃さまにだけは、本当の自分をさらけ出していました。 王さまは、公務が終わるとホッとしますが、またすぐ暗い顔になりました。 風が吹くたびヒヤヒヤし、雨が降ると慌ててハンカチや傘を探します。どこかいつもぎこちなく、不安な顔をしていました。 王さまのそんな態度は、日を追うごとに酷くなり、国民も、どこかお悪いのではと心配する声もありました。 「う…む…どうすればいいのか。」 今さら、ツルツルヘッドをさらけ出して、王妃さまを笑い者にしたくありません。 そんな王さまを、王妃さまも、たいそう気にかけておりました。
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