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 うちの家族はキリスト教、カトリックの信者だ。  家族、とあえて言うのは、ぼくだけが信者ではないからだ。亡くなった父母両方が信者だったし、姉二人は幼児洗礼を受けていた。だから子どもの頃は、ぼく自身が望まなかった為に洗礼を受けなかったのだと思っていた。  けれど実際はそうではなくて、仏教から改宗・入信した父側の祖母の強い意向で、血脈に、というか家の姓を名乗る事になる者は信者にしたくない、という要望をやむなく了承したというのが事実のようだった。  父が改宗したのは、母に恋したからだった。母は古風で敬虔なクリスチャンで、結婚するなら父に入信して欲しいと条件を出した。  父は了承し、田舎住まいだったので毎週バイクに乗って町のカトリック教会に通い、キリスト教について学び、漸く信者になり、母と結婚する事ができた。
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