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「俺、お前のこと、死ぬほど好きかも」
マサトがまた俺をギュッと抱き寄せた。
「ほんと? すげぇ嬉しい。俺も海里のこと大好きだよ」
「大学、別々だけど、ずっといてくれる?」
「そんなの関係ないよ。俺達の気持ちが同じなら。でしょ?」
「だな」
マサトの背中へ手を回したら、マサトがもっともっと強く抱きしめる。息ができないくらい強い。でも嬉しい。散々ぎゅうぎゅうして気が済んだのか、だらりと腕を下ろし、今度は俺の顔を両手で包み、ムギュッと上げた。ほっぺがギュッと寄せられる。優しい目が俺を見つめる。すごくかっこよくて、俺が欲しかったやつ。
「ふへへ。海里、いっぱい泣いて可愛いなぁ」
「うっへえわ」
「愛してるよ」
マサトは濡れたまつ毛や額にいっぱい口をくっつけてきた。すげぇ優しいくちづけ。鼻先に、両頬に、だんだん唇が下に降りてくる。
「こうやっていっぱいキスしたいってずっと思ってた」
くすぐったい囁き声と同時に唇に触れる温もり。俺は初めて目を瞑った。自分からもチュッと吸い付き思った。これからはいつだってできるんだ。嬉しくなって、そのまま二度三度とキスを堪能して、顔を離した。目の前にはマサトの笑顔。俺の口角も上がる。
「遅刻するんじゃね?」
「行くの? もうサボっちゃおうよ」
「余裕だねぇ」
マサトがニヤリと笑った。
「逆逆。海里を抱きたくて辛抱できないの。俺んち帰ろう? 親いないし」
「え、ちょっと露骨で引いちゃうわ」
「だって、俺そういう年頃だから」
「まぁ、俺もしたい」
二人で照れながら笑ってベンチから立ち上がった。ズイと手を前に出すと、マサトはニカッと笑い俺の手を握った。
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