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「なんですか、あれ。もうすぐ結婚する男女ですか、あの初々しいのは」
「見てる方が辛いですね」
「あの二人は、普通の恋人らしい会話が圧倒的に足りてないって言ってました」
セルジオ(職場恋愛経験者)副団長が。
「団長は恋愛方面は子供並みで止まっていて、初恋を拗らせているめんどくさい人なのでリーゼ嬢に無体なことはしないだろう、あのヘタレは。
って言ってました」
セルジオ(見守る親の気持ち)副団長が。
「リーゼが愛されてるのはわかったけど。それでも不安にさせてたのは許せないわ。それに最強のライバルって、セルジオさんは何を企んでるの」
「大丈夫です。セルジオさんは腹黒な策士なので、今まで失敗したことはありません!」
「失敗した時は跡形もなくなかった事にするのも上手いです!」
『ふーん。君達そう思ってたんだな』
水晶玉から声がした。
セルジオが映っている。
『あの二人に必要なのは、デートだよ。いくつか街で頼みごとをした。最強のライバルはカインのことを諦めていない。徹底的に二人が幸せな姿を見せつけて欲しいんだ』
ニッコリと笑った。
ものすごい勢いで書類を処理している。
「あ、二人店を出るみたいですよ」
並んで歩きだし、カインがぎこちなく手を出そうとして
「あれ、手を繋ぎたいんですかね」
「完全にリーゼ嬢の方見て歩いてますが、危ないですよね」
「ゴミ箱にぶつかりそう……あ、ゴミ箱が動いた。魔力の無駄使い」
「無意識に魔力垂れ流してるから団長は」
「身長差があるから自然に手を繋げないんですね」
「でも顔みたいから、あんなに上半身を捩るみたいな変な格好で歩いてるんですね」
アホかわいいじゃねえか、団長
カトリーヌは少し思った。
これはギャップ萌え属性の、ややこしい奴らがまたリーゼに嫉妬するんじゃないか?
並んで歩いてるだけなのに、あの二人はフワフワ湯気が出てるみたいな感じで
「ま、信じてみましょう」
カトリーヌは恋も仕事も負けないわよー!っと気合いを入れた。
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