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セルジオからの指示を書いたメモを二人で見ながら街へ出ることにした。 まず乗り合い馬車。 「リーゼは馬車をよく利用するのか?」 「いいえ。普段はお城の中で足りますし、同僚が街に行くときについでに買い物を頼んだりすることが多いですね。手芸の道具は自分で見たいのでたまに……あとは、教会とかお墓参りに」 並んで歩くと身長差を改めて感じる。 「墓参り……、今日も行くか?まだ時間はあるが」 「いえ、本当にたまに。騎士団の慰霊碑があるでしょう?そこに入られてる方なので、個人的にお参りするというより通る度にちょっと感謝をするみたいな感じです」 「騎士団」 そこから無言になってしまった。 リーゼはせっかく二人で出掛けるのにお墓の話なんて持ち出して悪かったのかなと、気まずくて窓の外をみた。 他の予定はなんだったっけ。 お菓子とお花と、レターセット。 文具店にいけばいいのかな。この前聞いたきれいなインクの売ってる雑貨やさんも良さそう。 そんな風に考えていた。 時間があれば布も見たいけれど、カインさんはあまり買い物に時間をかけるのは嫌がるかも。 カインを見ると、 震えていた。 目をつむって具合が悪そうだ。 「大丈夫ですか?気分が悪そうです」 「だいじょうぶ、少し休めば」 「どこかで休みますか?次は中央広場なので降りましょう」 「すまない」 噴水前のベンチに付くと、カインは頭を低くして唸るように言った。 リーゼはハンカチでカインの額を拭いている。
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