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噴水前にはベンチかあり、飲み物や軽食を売る店やワゴンがいくつかある リーゼはレモネードを買ってきてカインに差し出した。 「ありがとう」 差し出した手を握ったまま、カインが離してくれない。 「えっと、団長……?」 重苦しい雰囲気に、ついそう呼んでしまった。 カインが顔を上げたので、その呼び方が良くなかったのだと気づいた。 「……申し訳なく思っている。」 「そんな、馬車に酔うことはよくありますし、普段は使われてないんですから……」 団長なんだから王宮の馬車を自由に使えるんだった。それに多忙だから乗り合い馬車で街にいくなんて、滅多に無いに決まっている。忘れてたけど立場が違う人なんだから 「そうではなくて、 リーゼは可愛いし気がきくし、仕事もこれからで、今までにも男性から好意を寄せられてただろうし、もっとこれから恋をする可能性もあったのに、急に結婚を決めてしまって申し訳ないと思っている」 冷えたビン入りのレモネードを二人で持っている。水滴が手に落ちた。 リーゼはカインに薦めた。 「先程の」 言葉を切って、レモネードを一口飲んだ。 「墓参りの件だが、騎士団の方はリーゼの大切な人だったのか?身内、ではなく、いやすまない。こんな遠回しな聞き方は男らしくないな。 もしかして、恋人とかそういう……?」 噴水の音や周りの人々の声が、すっと遠のいた気がした。 リーゼは、これは何かしら、と頭の芯が冷えるような気がした。 怒っているのかも、私。 結婚する相手に、過去を気にされている、と。そういう状況で。 こっちはもっともっと何倍も色々とわけのわからない女にイチャモンつけられたんですけど レモネードを奪って、飲んだ。 ビンをベンチにダンッ!と置く。 「カイさん!」 「はい!」 気迫 「私は好きな人と結婚できて嬉しいので申し訳ないなんて言わないで。カイさんにだって他の人と恋をして幸せになる可能性があったのに、私が全部貰っちゃうんだからね!根こそぎ!全部そんな可能性ぶった切ってやるんだから!カイさんは、嫌?」 「すき…… リーゼかっこいい…… すきです」
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