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「団長ずるいと思うんだよ俺」 魔術師たちが、休憩室で話していた。 「魔力多くて、実力があるのはもちろんだけど、ちょっと可愛い嫁さんもらうからって浮かれすぎてないか?あの人」 「しかも他の女性にもモテているんだぜ、本人気づいてないけど。それにあんなに顔が良いとは聞いてない。オレ、副団長より絶対年上だと思ってた」 「え?魔法で若く見せてるんじゃなくて実際若いんですか?何歳から役職ついてんだよ」 「いいよなあ、今まで全然女っけなかったくせに、いきなりあんな可愛い子を」 「しかも、あの粘着質な愛し方を隠して、紳士ぶってるらしいんですよね?それ奥さん騙してません?」 「はいはーい、君ら命が惜しかったらその辺でやめときな。」 セルジオがお茶を持ってきた 「副団長、俺ら別に悪口じゃなくて、ただ羨ましくて」 「まあね、わかるけど。でもカインも今からものすごく大変だから。」 「え?どういう……」 雷鳴が轟いた。 「この急激な天候の変化は、もしかして」 「団長の魔力が、これ、ものすごく乱れてますか?ヤバくないですか」 「うん、さっきね、リーゼ嬢が不安定で医務室に行ったらしくて。結婚前はそりゃまあ色々あるんだよ。 もし破談になったら国終わっちゃうから、みんな協力してくださいね。 それと、サラがリーゼ嬢に接触した。」 「誰ですか?」 「あー、お前が入る前に国境のほうに配置換えになった女だよ。美人だけどとにかく気が強くて。自分より魔力の強い男にしか惚れないって言ってて、確か一時期団長に付きまとっていたっけ」 セルジオは当時のことをよく知っている。魔力が強いとそういう奴に狙われることがある。 カインは覚えていないけれど。 そんな人からの好意に鈍感だった彼が、リーゼ嬢のためになら駆け付ける。 子供の頃のカインを知っているセルジオはその変化を嬉しく思っていた。
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