Fight 1 僕の時間をあげた分、対価は支払ってよね、お姉さん?

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何、いきなり……。 傲慢な態度で、それも初対面の人間に向かって……こんなこという人本当にいるのか……と私は感心すらした。 が、言われっぱなしは、私の性に合わない! 「おとぎ話ってなんですか!」 「あんたの志望理由」 「私は真剣にそう思って」 います、という言葉をいう前に 「あんた、裏切られても平気?」 と遮られてしまった。 裏切る……? なんで急にそんな言葉が出てくる……? 「……どういうことですか」 私がそういうと、大きなため息を疲れた。 「困るんだよね。夢を持って入ったはいいけど、現実知った途端にすぐに辞められると」 そういうと、その人は私に近づいてくる。 「教える方もタダで教えてる訳じゃないの。わかる?」 「そ、そんなこと言われても」 ……これ就職面接だよね。 そもそも、なんで私、怒られてるの? その人は、私の回答を待たずに続けてこう言った。 「半端な覚悟ならこないで。迷惑だから」 「半端な覚悟!?」 その言葉は、私の怒りのボルテージをどんどん高めていった。 人が面接を受けようと決めた気持ちを、半端と言われて気持ちのいい人間なんているのか? いや、いるはずない! 「なんでそんなこと言われないといけ」 「おっと、次のアポの時間だ。それじゃ、2度と来ないでね、お・じょ・う・ちゃ・ん」 言いたい事は言い終えた……そんな表情で、初対面でいきなり無礼な言葉を投げつけたその人は、さっさと立ち去っていた。 ……何あれ。 ねえ、何あれ!? 私の怒りを察したのか 「も、申し訳ございません」 先ほどは、冷静に人の話を聞いていた面接官でさえ狼狽えている。 「何なんですか、あの人」 面接官は、ハンカチで汗を拭いながら 「……もし高井さんにご入社いただけましたら……その……上長となる方です」 と説明をしてくれた。 「へえ……」 あれが、上長ねえ……。 ふーん。 「あの……」 私の声が低すぎたのか、面接官が怯えた様子で 「はい」 と答える。 「……どんな仕事でもしてみせますから、この会社にどうにか私をねじ込んでいただけませんか?」 「それは……まだ決めかねてますが検討はさせていただきま」 私は、おどおどしている面接官の両手をぎゅっと握りしめた。 あいつを絶対にギャフンと言わせないと、気が済まない! 「絶対にいい成績取ります」 「絶対に言うこと聞きます!」 「私いい子なので、絶対に噛みつきません!」 だから…… 「絶対、絶対ゼーったい、あの人と同じ部署にしてください!!!!!」
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