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ちなみに。
それから12時間後。
またチャイムがなり、渦中の加藤さんが現れた。
「こ、こここんばんわ」
……ロボットのような挨拶になってしまった。
加藤さんはこの時も、玄関だけの訪問だった。
「服の詫び」
と紙袋を渡しただけで、さっと帰って行ってしまったが、残された私は、非常に困惑してしまった。
何故ならば。
ボーナスが出たら1度は購入の候補に入れる、有名ブランドの新品の可愛い洋服が入っていたからだ。
しかも。
中には、味気ないビジネス用の付箋に、見慣れた加藤さんの急ぎ文字で
「あの服は、早く捨てろ」
と書いてある。
私は、紙袋を抱きしめながら
「これを、私に一体どうしろと言うんですか……」
正直、今日の明日でこの服を着ていくのは、顔が沸騰するレベルで恥ずかしい。
むしろ、今夜本当に熱が出てしまうかもしれない。
そうなったら、明日朝一からの業務なんて、できるわけない……。
「どう責任とってくれるんですか……加藤さん……」
Winner 加藤涼介 (好きと言う言葉を使わずに気持ちを悟らせ混乱させるという、高等テクニック ※ただし無自覚 による逆転勝ち)
Last Fightへ続く……
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