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僕は、かに座なのだけれど、今日は最下位だった。
「あら、残念」
お母さんがにやにやしながらそう言う。
占いが最下位だと僕はいつも気分が落ち込む。
そのことを知っているお母さんが僕をからかって言ったのだ。
けれど今日の僕はそんなことでは落ち込まない。
そそくさと朝食を食べ終え、学校へ向かう。
少しも落ち込んでいない僕を見てお母さんは不思議そうな顔。
「いってらっしゃい」
お母さんの見送る声を聞きながら、僕は元気よく家を出た。
「いってきまーす」
そんなに急ぐ必要はなかったけれど、僕は自然と早足になっていた。
近所の人たちが僕に挨拶をしてくれる。
僕はいつもより何倍も大きな声で挨拶を返した。
「ゴウくん、おはよう」
そう挨拶をしてくれたのは、近所に住む中山さんっていうおばちゃん。
中山さんの家にはラッキーという名前の犬がいて、真っ白な毛を触るとフワフワでとっても気持ちがいい。
あと、とがった耳と小さな目が特徴的だ。
僕はそんなラッキーをよくかわいがっていた。
ハチミツが大好きで、あげるとシッポを振ってペロペロと食べてくれる。
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