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なぜなら明日から夏休みが始まるからなんだ。
なら、喜ぶのは明日からじゃないのか、と思うだろう。
けど違う。
明日の夏休みから何をしよう、という計画を頭の中で考え、想像しているこの瞬間から僕にとっては夏休みなのだ。
それに今日は終業式があるだけで授業もない。
午後には帰れるから、「さようなら」と先生に挨拶をして学校を出た瞬間、僕の夏休みは本格的に始まる。
学校に着くと、僕の机にさっそくユージとシュンがやって来た。
ユージは体がとても大きくて同じ小学4年生だとはとても思えない。
もちろんパワーもすごい。
ふざけてつかみ合いをした時も簡単に投げ飛ばされてしまった。
「なあ、ゴウ。プールって明日から入れるのかな?」
ユージがそう言って、空中でクロールする真似をした。
「たぶん、入れるんじゃない」
僕はそう答えた。
夏休みの間、学校のプールが解放されるんだけど、確か初日から開いていたはずだ。
「プール行きたいな」
シュンが言った。
シュンはユージと反対にとても体が小さい。
ユージと並ぶと本当に親子に見えてしまう時があるからびっくりする。
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