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第1章:第1話
9月初旬のよく晴れた日。
間もなく正午を迎えようという頃、確かな足取りで一人の青年が「西の山」の山頂に到達した。
2千メートルを超える標高の中、少し息のあがった島内カイトは、暖かい風を全身に受け止めていた。
…9月だけど、思ったよりあったかいな。
カイトは、登頂の余韻に浸ったのもつかの間、黙々と、そして淡々と、少し先の神社へと歩みを進めた。
あと数日で、冬に向けて登山ルートが閉ざされるからか、参拝客も登山客もまばらだった。
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