第1章:第1話

2/4
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「…また来たよ。」 …この前来たばかりなのに、また来ることになるなんて思わなかった…。 境内には、参拝者の数からは想像ができないほどの、おびただしい数の絵馬が鈴なりになって奉納されていた。 カイトは、その中から一枚の絵馬を探し出し、大事になぞってから写真におさめた。 そして、下界よりも近い空を見上げ、天に向かって長く大きく息を吐いた。 その後、社務所で絵馬を購入し、刻み込むかのように、ゆっくりと真剣に願いを記した。 それから手際よく結び付け、神社や周囲の写真を何枚も撮り、そそくさと下山していったのだった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!