0人が本棚に入れています
本棚に追加
犬の人間(プロットのみ)
女子高生のさくらが飼っていたダックスフンドの健太が
ある日、人間になってしまう。
主に、世話をしていたのが、さくらで、なおかつ室内犬だから、
親が気づかない設定。
親が共働きで、さくらが拾ってきた犬を飼いたいと懇願したときに、
あなたが全部面倒を見るならば、許す。
でも、見なくなったら捨てるわよ。と約束で飼っていた。
健太は、実は、さくらがときめいてしまうような素敵な男の子だった。
でも、性格は犬のままで、いつも通り抱き着いてこようとしたりするから
焦って、逃げまどう。
次の日、健太は犬に戻る。
そして、やっぱり、抱き着いてこようとするから、焦って逃げる。
ペロペロと舐めてこようとしたりしたら、キャー!と叫んで逃げたり。
その姿を見た親が「アンタ何やってんの?」と不思議そうな顔をする。
次の日、人間になった健太は、
「なんで、僕のことキライになったの!?」
と悲しそうな目で聞いてくる。
「そうじゃない」「じゃあなんで抱っこしてくれないの?」
と妙に格好良い姿で言われる。
「ちょっと、その見た目で、そんなこと言わないで!」
顔が赤くなってしまうさくら。
「だって、僕は子供の頃から可愛がってくれてた健太だよ」
と寂しがる犬。
「だって、そんな見た目だと思わなかったんだもん」
「散歩くらいしてよ」
親が、「最近、あの子、健太を避けてる気がするのよね~。
何かあったのかしら」
というセリフをどこかで。
人間の姿になった健太を見て、弟が
「姉ちゃんが、ボーイフレンド連れ込んでる!」とか
なんとか言う。
親も、慣れてきたら
「~~君(健太が咄嗟についた嘘の名前)とデート?」
とか。
で、学校の友達にも噂されたりとか、そんな下りがあり。
今まで、デート経験のないさくらが、散歩と称して、
人間姿の健太といろいろと出かける。
転部分で、
ありがちだけれど、人間の姿の健太が、さくらのピンチを救ってくれる。
それで、怪我した健太は、人間の姿のまま病院へ。
集中治療室。
その時、これまでの思い出を語ってくれる。
一人で世話をしていたさくらが、そのせいで友達と遊べなくなったり、
旅行に行けなくなったりとか、宿題が終わらなくなったりとか、
色々大変な目にあったのを知ってたこととか。
散歩に行って、毎年、桜を見て、散ってしまうと、
名前が一緒だから、自分が散っちゃった気分~。
と言う桜に、健太は吠えて、なんでいつも吠えるのかと聞かれてたけど、
あれは笑ってたんだとか。
さくらが、ビービー泣くから、
泣かないで
それと、最後に、何かとっても大事なことを言う。
自分を拾ってくれたあの日、雨の中、ひとりでとても辛かった。
一生懸命、親にお願いして、無理してでも拾ってくれたから、
あの日、僕は、何があっても、さくらちゃんのことを守るって決めたんだ。
だから、泣かないで。
その夜、さくらは、健太を見守りながら、居眠りしてしまう。
その夢では、健太が昔、いろいろと守ってくれたことが出てくる。
雨の日に、自動車の跳ねた泥水を健太が変わりにかぶったり、
学校で辛いことがあった日に、家に帰って泣いていたら、
すりよってきて慰めてくれたりと。
「何があっても、さくらちゃんのことを守るって決めたんだ」
という健太の言葉が夢の中で響いて、さくらは目を覚ます。
それで、翌日犬となってしまう健太は、病院から姿を消してしまう。
さくらは、探し回ると、
近くの動物病院で保護されていた。
さくらは、良かった!と抱き着く。
でも、ハタと気づいて、少し恥ずかしくなるけど、
そんなことどうでもいいや、良かった良かったと
何度も言って泣く。
それから、入れ替わりが無くなる。
しばらくして、親や弟には、人間になった犬は、彼氏だと思われているから、
「別れたのか~」と弟。「やめない~~(弟)!」と腫物に触るような弟。
そんな家族のやりとりを見ながら、さくらは目の前の健太を見て、
ふっと笑ってしまう。
人間としての健太と一緒に撮った写真は、全部、犬に代わっている。
最初のコメントを投稿しよう!