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「母親のほうも採っておこうと思ってここまで来たんだ。つくづく不思議だよなぁ。まだ見たことないんだっけ? 『血の砂金』。俺も自分で見つけられてよかったよ。しかも女だ。どこでも手袋をしていたから君の事はずっと気になっていたんだよ。出会いのセッティング、上手くできてただろう? でなけりゃ俺が合コンなんて、行くわけないよ」
彼の言うことがまったく分からない。何なの? 『血の砂金』って。彼も、母も、揃って私のことを混乱させているの? 質が悪い。
「まさか君が本当にそうだとは思わなかったよ。親父に見繕ってもらうなんて尺に触るから、躍起になってたが俺はラッキーだ。ああ。砂金の女を産ませることに忙しかった親父とは折り合いが悪いんだ。殆ど家には帰らないからな。……残念ながら、現実だよ。何も知らないみたいだから説明してやろう――」
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