4.

2/3
前へ
/15ページ
次へ
「!!痛ってぇ!」  突然、母を羽交い絞めにしていた男が叫んで母を突き飛ばした。 「こいつ、噛みやがった!」  母は勢いよく突き飛ばされたのに、一度、床に手を付いただけで飛び起き、そのまま一直線に彼に飛びついた。 「逃げなさい!」  彼は母に腕を(つか)まれてもものともせず、それよりも母の手から私を遠ざけるように私の肩を抱き込んだ。 「そっちは殺していいよ。さすがにもう子供は産めないだろ」  噛まれた手をさすっていた男がうなずく。懐に手を差し入れ、再び出したときにには刃物が握られていた。 「やめて! お母さん! いやぁ!」  男は彼から母を引きはがす。  男と揉み合い、母の服が大きく引き裂かれた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加