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#3 恋は甘いだけじゃない ユウキside
「どうして?私の方が、私の方がっ!絶対に長く想っていたのにっ!」
ついさっき、失恋した––––––いや、気づいていた。もっと前から、私を見ていないのは知っていた。
でも、少しの可能性を信じて、諦めなかった。「見て見ぬ振り」をしていた。
「相手が幸せならいい–––」そんなこと思えるわけないじゃない。
こんなに辛いのに?私はそこまで人を想う力がなかった。
美奈穂と1度だけ話したことがあった。
「大空さんが幸せならいいと思っています。彼女とかちょっと嫌だけど、それでも幸せならいいんです。」
明日、最後の笑顔を見せて、この恋にも大空にもバイバイしよう。
思いっ切り泣くんだ。君が見せてくれた笑顔や思い出を捨てるために。
ー翌日の放課後ー
「ユウキさん、この資料お願い。」
ごめんね、私にはできないや。さぁ、最高の笑顔でお別れしよう。
「ごめんね。他の人に頼んでね。じゃあ、バイバイ!」
「あ、ごめん。バイバイ」
謝らないでよ。もう、なんなのよ!
後から後から、溢れ出す涙を拭わずに、ユウキは走り出した。
ー作者ー
これで完結じゃないですよ!
これは短編集としても出そうと思っています。
こういうシーンも入れたかっただけです!
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