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「絶対に忘れない」
「……」
「ずっと、君が好きだ」
「……ありがとう」
今日は、君の49日。
この世から消えてしまう日。
そんな記念日は、いらないのに。
あれだけはっきり見えていた君の姿は、昨日から見えなくなっていた。今日は声がかろうじて聞こえるだけ。だからその時が来るのは分かっていた。
少しでもその時を引き延ばしたくて、俺は――。
『ねぇ、覚えてる?』
覚えてる。ずっと、忘れないよーー。
だから、何度でも会いに来て、お願いだから。
end
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