しちっぴきのこやぎ

ほしぶどう

朝ごはんに時々出てくる、不思議な食べ物。
ぐらのーらって言うんだって。

茶色のザクザクの中にかくれんぼしてる、黒くてシワシワのフルーツ。私はこれが大好き。今日はたくさん入ってるから嬉しい。

私、知ってるのよ。これ、ぶどうなんでしょ？
でも不思議なの。いつも食べてるぶどうよりも硬くて小さい。

って思ってたら、ママが教えてくれた。

「これはね、ほしぶどうって言うのよ」

えええええ？
ほし…ぶどう？

私は、スプーンに乗った黒いシワシワを見つめる。

そっか。
ほしぶどう。
よく見れば、確かにキラキラ輝いてる。
もしかして、このまま見ていたら、お空に飛んでいっちゃうのかな。

スプーンの上のほしぶどうをうっとり眺めていたら、ママは言ったの。

「ほしぶどう。“干した”ぶどうよ」

え？

途端に、目の前のそれは元の黒い塊に戻った。

なあんだ。
残念。食べてみたかったのにな。

星ぶどう。