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【せんせいはくま4】
先生は独身だ。俺はきっとこのまま孤独だよ、とかいって寂しそうにするなら言わなきゃいいのに。
保健室は相変わらず俺の癒しの場所だけど、先生は俺の事どう思ってんだろうか。
邪魔かな、仕事かな。それとも嬉しいのかな。
なんつうか、先公にこんな事を思うのははじめてだ。はっきり言って先公は押し付けがましくて上から目線で、嫌いだ。
でも、先生は違う。先公らしくない所が先生らしいと思う。
俺はそういう所が好きだな、もちろん大人としてだけど。
「俊弘、お前友達いないんか」
放課後、ベッドでマンガを読んでいると、先生が言った。元カノの数よりはいるよ、というと芸能リポーターばりの食いつきで突っ込んできたから7人と言ったら七回かーとがっくりきてた。
ちなみに先生は二人らしい。というかバツ2らしい。結婚した数が女の数ってどんだけーなんだろうか。
先生って純なのな、って言ったら一回目で女はこりごりだって思ったのに、もう一回悪い女にひっかかっちまったってものすごい悲しそうな顔で言うから、
俺、思わず 「じゃあ今度は俺にしときなよ」って言っちまったじゃないか。
先生は冗談だと思ったみたいで二十歳になったらな、と言った。
俺も冗談にしとこうと思ったけど、どうしてかな、俺、顔が赤くなっちゃって、
マンガで顔を隠して寝たフリかました。
あーあ、くまのくせに。
生徒を誘惑するなんて、先生のくせになんつう怖いくまなんだって、思った。
【せんせいはくま4】完
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