母に伝わらないだろうけれど

無関心

「そういえば、智美(ともみ)は何考えてるかわからん子どもやったわ」

　わかりやすく暴れて意思表示する妹の明奈(あきな)と比べれば、喜怒哀楽を表に出さない私はつかみどころがなかっただろう。あの頃、私は三世代同居の家で全員の機嫌をとるかように無意識にいろんなことを飲み込んで暮らしていた。アルバムに貼られた写真の私はどれも仏頂面だった。笑顔の写真をわざと外して貼ったりしないだろうから、それが私の普通だったのだろう。

　表情が乏しいのは何故なのか、私が何を考えているかをわかろうとしてくれたことはあったの？　ねえ、お母さん。