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「泣かないで、風花」
気がつくと、夏澄がとなりに立っていた。
「古都音とはいつでも会えるからだいじょうぶ。……でも、なにがが欠けた気がするよね」
「そう、また会えますよ、風花さん」
古都音が振りかえる。
「氷晶郷と風花さんの家は近いのでしょう? だから、だいじょうぶです」
古都音は一度言葉を止め、微笑んだ。
「ねえ、風花さん。私の願いは叶いました。次は風花さんの番ですね」
「風花の夢? どんな夢?」
夏澄がうれしげに身を乗り出す。
「元にもどす手伝いをすることなのですよね。夏澄さんの故郷を」
風花は思わずうつむく。夏澄の前でいわれるのは少し恥ずかしかった。
「そうなんだ」
夏澄は少し驚いたようだった。
やがて、きらきらの瞳で微笑んだ。ずっと笑顔で風花を見つめていた。
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