第十三章 いつまでも夢を追う

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「皆さん、お世話になりました」 「ブライアフィンさま、皆さま、古都音を守っていただいて、本当にありがとうございました」  古都音と那破、白鳳の姿は空間の海の中に消えた。  風花や精霊たちはいつまでも見送っていた。 「ありがとう、風花」  夏澄のささやき声がした。 「え?」 「さっきの古都音の話の続きだよ、俺と同じ夢を見てくれるんだね。ありがとう」  ……ただの人間のわたしに、そんな言葉をくれる。  夏澄くんと友達になれて、本当によかった……っ! 「いつまでも……、一緒にがんばろうね」  いつまでも……。  夏澄のその言葉には、想いがこもっている気がした。  もうこの前のように諦めたりしないで。そして焦ったりもしないで。  いつまでも夢を追おう。  そういわれている気がした。 「約束の印」  夏澄が小指を差し出す。 「うん、約束……」  風花も小指を伸ばす。  透きとおって青い、夢の世界のような東霖城の前で、夏澄の指と結んで何度も振った。            第二部 銀氷鹿編  完  
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