この壁の向こうに(1/4)

1/7
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ

この壁の向こうに(1/4)

「──あの! 私のこと、覚えてますか?」  突然そう声をかけてきたのは、見知らぬ若い女性だった。  二十代前半から半ばくらいだろうか。  意志の強そうなキリッとした目が印象的で──いや、ちょっと待って。見覚えがある。 (ああ、この子はたしか……)  思い出した瞬間、私の意識は過去へと引きずり込まれていった。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!