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「……?」
相手が何を言っているのか、理解できなかった。
すぐに返信を送る。
――何のことですか?
ログインはしているようだけど、なかなかメッセージが返ってこない。
十五分ほど経った時、再び通知音が鳴った。
――さっきの、つぶやいていたことです。
相手の言葉の意味がわかった瞬間、私はベッドから跳ね起きた。
「見ら……れてた!? さっきのつぶやき……」
顔がカァーッと熱くなる。
「ち、違……っ! どうしよう」
私はものすごい早さでメッセージを打ち込むと、スマートフォンを枕元に投げた。
――すみません。さっきのは冗談なので気にしないでください!笑
語尾に「笑」なんて付けてごまかしているが、本心は恥ずかしくて仕方がない。
ああ……。消えてしまいたい。
枕に顔を押しつけて反省していると、通知音が鳴った。
どんな反応かな……?
いやもう、いっそのこと笑い飛ばしてくれ。
――茜さんが探しているもの、ここにあります。
私は再び、跳ね起きた。
「はぁ!?」
何を言っているんだ、この人は。冗談だって言ったじゃん。
しかも、さっきから「ここにある」って、どういうこと……?
私はすぐに返信を送る。
――えっと、ごめんね。ほんのジョークなんです。だから忘れてくださいな。
向こうからの返信が来なくなった。
やっと理解してくれたかな?
私はやれやれ、とため息をつき、明かりを消してベッドに入った。
そして目を閉じる。「こんなバカなマネは二度としない」と、強く心に誓って。
***
カーテンの隙間から差し込む光と、スマートフォンの通知音で目が覚める。
「んんー?」
寝ぼけ眼で画面を見ると、SNSのメッセージを受信していた。
そういえば、返信まだ来てなかったっけ。
なんとなくメッセージボックスを開いてみる。
――もし彼氏を探しているなら、僕はどうですか?
この人からのメッセージで、私は何度跳ね起きただろう。
「はぁぁぁぁ!? だから何言ってんの!?」
驚き過ぎて、眠気も一瞬で覚めた。画面を見直すが、やっぱり見間違いではない。
これ、「僕と付き合いませんか?」ってこと?
いやいや、さすがに顔も知らない相手と付き合うわけがないでしょうが。
そもそも、この人はどういうつもりで言っているんだ? からかわれているの……?
でも、普段のコメントだと冗談とかふざけたことを言うタイプじゃないし……。
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